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テーマ:「中国法務を読み解く」(3) 中国の「没問題」は「有問題」か?-中国ビジネスの現場感覚から-(2007年10月15日)

野村 高志(フレッシュフィールズ ブルックハウス デリンガー法律事務所)
1 はじめに

中国に住んでいると、「没問題(メイウエンティ)」は何処でもよく耳にする言葉である。直訳すれば「問題はない」「大丈夫」といった意味であり、例えば「有没有問題?(ヨウメイヨウウエンティ=問題がありますか)」「没問題!(メイウエンティ=問題はありません)」というように使われる。

ところが中国ビジネスの現場では(さらに中国に滞在する外国人にとっても)、この「没問題」は一種の「要注意用語」として知られている。契約交渉の場などで、日本企業側が想定されるリスクの発生可能性を尋ねた際に、中国側からは「没問題」との説明がなされ、にもかかわらず事後に問題が発生しトラブルとなることが珍しくない。
その結果、日本企業側からは、「なぜ事前に問題点を指摘してくれなかったのか」との不満の声、さらには「中国ビジネスは難しい」との嘆きの声が聞かれることになる。私自身も「中国的“没問題”就是“有問題”(中国の「問題がない」は、まさに「問題あり」だ)」などと揶揄して言うこともある。

今回は、中国ビジネスの難しさを象徴する言葉の一つといえる「没問題」を取り上げて、日中間の契約交渉などで起こりがちなコミュニケーションギャップやリスクヘッジの問題について述べることとしたい。

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