日本法ニュース:重要判決情報
知財高判 平成20(行ケ)10303 審決取消請求事件 商標権 行政訴訟(2010年01月26日)
平成22年1月26日判決言渡同日原本領収裁判所書記官
平成20年(行ケ)第10303号審決取消請求事件(商標)
口頭弁論終結日平成21年11月4日
判決
原告シーディーエムエクスチェンジ
インク
(審決時の原告の表示シーディーエ
ムエクスチェンジカンパニー)
被告Y
同訴訟代理人弁護士中川康生
同山川博光
同訴訟復代理人弁護士川添大資
同黒川慶彦
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理の申立てのための付
加期間を30日と定める。
事実及び理由
第1 請求
特許庁が無効2007-890062号事件について平成20年4月2日にした
審決を取り消す。
第2 事案の概要
1 特許庁における手続の経緯
被告は,別紙商標目録記載の構成で,指定商品を同「指定商品」欄記載のとおり
とする登録第4962301号商標(平成16年8月4日出願,平成18年6月1
6日設定登録。以下「本件商標」という。)の商標権者である(甲1)。
原告は,被告を被請求人として,本件商標は,他人の業務に係る商品を表示する
ものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であっ
て,その指定商品も使用に係る商品と同一又は類似のものであるから,商標法4条
1項10号の規定に違反して登録されたものであり,同法46条1項1号の規定に
基づき無効とされるべきであるとして,本件商標の指定商品中第14類「身飾品」
についての登録を無効にするとの審判を請求した。
特許庁は,同請求を無効2007-890062号事件として審理した上,平成
20年4月2日に「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,同月15
日,その謄本を原告に送達した。
2 本件審判請求における原告(請求人)の主張の概要
A(平成11年(1999年)1月16日死亡。以下「A」という。)は,米国
のジュエリーデザイナーであり,米国カリフォルニア州の工房で「ガボール
(GABOR)」及び「ガボラトリー(GABORATORY)」という名称(以下「ガボー
ルブランド」という。)でブレスレット及びリング等のシルバーアクセサリー製品
(以下「ガボール製品」という。)を製造し,販売していた。
B(以下「B」という。)は,Aのパートナーとして働いていた人物で,Aの平
成10年(1998年)12月ころの遺言により,同人が使用していたガボールブ
ランド名下に製造されるガボール製品のマスターピース(原型),鋳型,職人たち
等(以下「ガボールブランドに係る事業」という。)を引き継いだ。
その後,Bは,米国ネバダ州法人であるガボラトリー・インターナショナル・イ
ンク(以下「インターナショナル社」という。)を設立し,同社は,米国特許商標
庁に対し,次の①ないし③の3件の商標権を出願して登録を受けた。
① 米国商標登録第2695716号(以下「米国商標1」という。)
商標の構成「GABOR」
登録出願日平成13年(2001年)6月13日
登録日平成15年(2003年)3月11日
指定商品第14類「銀,ゴシックスタイルの宝飾類,即ちブレスレット,
チェーン,チョーカース及びリング」
② 米国商標登録第3039819号(以下「米国商標2」という。)
商標の構成独特の書体のGマークに王冠を冠した図形(以下「王冠付きG
マーク」という。)の下部に唐草模様を,さらにその下に「GABORATORY」の文
字を唐草模様を囲むように配した,文字と図形から成る。
登録出願日平成13年(2001年)5月29日
登録日平成18年(2006年)1月10日
指定商品第14類「銀,ゴシックスタイルの宝飾類,即ちブレスレット,
チェーン,チョーカース及びリング」
③ 米国商標登録第3039823号(以下「米国商標3」という。)
商標の構成米国商標2と同様の構成の標章のさらにその下に,やや小さく
「INTERNATIONAL」という文字を横一線に配した,文字と図形から成
る。
登録出願日平成13年(2001年)7月30日
登録日平成18年(2006年)1月10日
指定商品第14類「銀,ゴシックスタイルの宝飾類,即ちブレスレット,
チェーン,チョーカース及びリング」
原告は,平成15年(2003年)8月24日,上記米国商標1ないし3を,イ
ンターナショナル社から譲渡を受けるとともに,日本及びアジア全域に米国商標1
ないし3の使用及びガボールブランドの商品の製造・販売の独占権を取得し,積極
的に日本において,米国商標1ないし3を付した商品を展開して広く周知させてい
た。
したがって,本件商標は,ガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の
承継者であるインターナショナル社及び原告により出願前に日本において広く知ら
れた商標であった。
ところが,Aの死後,Aの妻である被告が日本に本件商標と同一若しくは類似の
商標がないことを奇貨として,日本において,本件商標の登録を出願し,単にAの
妻であったという理由だけで設定登録を受けた。
上記のとおり,原告は,インターナショナル社がAから承継したガボールブラン
ドに係る事業及びそれに伴う諸権利をさらに同社から承継したものであり,その結
果,米国商標1ないし3の米国における商標権者であり,日本においても積極的に
米国商標1ないし3を周知させていたのであるから,原告が名実ともに本件商標を
含むガボールブランドに係る事業及びそれに伴う諸権利の真の承継人である。
したがって,本件商標は,商標法4条1項10号に該当し,同法46条1項1号
により無効にすべきものである。
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